「子宮頸癌の予防ワクチンについて」
癌検診の普及に伴い、子宮頸癌は早期発見が可能となり、近年死亡数の減少がみられています。
しかしながら、20歳代、30歳代の若年女性においては発生数、死亡数の増加傾向がみらます。
子宮頸癌の発生原因はヒトパピローマウイルス(HPV:human papiloma virus)の性器感染によるものと判明し、その予防のワクチンが日本でも昨年10月に認可され、一部であるが癌が予防できる時代になりつつあります。
今回はこのワクチンについての報告
●子宮癌とは下図のごとく子宮頸癌と子宮体癌に分けられる。
今回のワクチンは子宮頸癌に対するワクチンです。
現在子宮頸癌と子宮体癌の発生比率は6:4ぐらいで頸癌が多い

●子宮頸癌の発生原因
ヒトパピローマウイルス(HPV:hlman
papiloma virus)が性器に感染して子宮頸癌をひきおこします。
ただし、感染すれば必ず子宮頸癌になるわけではありません。
●ヒトパピローマウイルス(HPV:human
papiloma uirus)
性器に感染するHPVは約30タイプあります。そのうち約15タイプ(16、18、33、35、39、45、51、52、56、58、59、68、73、82型)が子宮頸癌関連HPVです。
子宮頸癌患者より高頻度に検出されるのがHPV16型、次いでHPV18型です。
●商品化されたHPVワクチン
商品名 サーバリックス
(2009年10月に認可された)
サーバリックスはHPV16、18型に対する
2価ワクチン
ガーダシル
(申請中)
ガーダシルはHPV16、18型十6,11型に対する4価ワクチン
●HPVワクチンの接種対象者 1
最も推奨される年齢は
10才〜14才(公費負担の対象者?)
次に推奨される年齢は
15才〜26才
適応は
10才〜45才までとなっています。
●HPVワクチン接種対象者 2
性交未経験者の女性に接種するのが望ましいが、45才までの年齢層でワクチンの有効性が証明されています。それは、既に感染している型にたいする治療効果は全くありませんが、まだ感染していない型の感染を予防することができるためと思われます。
(HPV 16型とHPV18型が同時に陽性になる事例は非常に少ないとの報告がある。)
尖圭コンジローマや子宮頸部軽度異形成の者もワクチン接種の対象となります。
●HPVワクチン接種対象者 3
妊婦には接種しない。ただし、ワクチン
接種期間中に妊娠しても全く問題はなか
ったとの報告がある。米国のガイドライン
ではワクチン接種後妊娠が判明した場合
でも人工中絶の必要はないとしており、
それ以後のワクチン接種は分娩後に行う
としている。授乳婦には接種できる。
●HPVワクチンの接種方法
接種は3回接種(筋注)
1回目
2回目 約1ケ月後
3回日 約6ケ月後
接種期間を変更せざるをえない場合には初回と2回目の接種間隔は少なくとも4週間空けること。2回目と3回目の接種期間は少なくとも16週間空ける。
●他のワクチン製剤との接種間隔
生ワクチン(麻疹、風疹、水痘等)では接種後27日以上、他の不活化ワクチン(インフルエンザ、A型肝炎、B型肝炎等)では接種後6日以上の間隔をおいて接種します。
HPVワクチン接種後に他のワクチンを接種する場合は6日以上の間隔をおいて接種します。
●HPVワクチンの効力
1HPV16、18型の感染を予防し子宮頸癌の発生の60〜70%の予防ができます。
(HPV16、18型が発生原因として多いが他のタイプによる場合もある)
2 効力は少なくとも7年間は持続するとの報告あり(長期のデータはまだなし)
3 すべてのHPV感染を予防することはできない。そのためワクチン接種者も子宮頸癌検診を受ける必要があります。
●HPVワクチンの副作用
局所の副反応として腰痛、発赤、腫脹
全身生の副反応として疲労、胃腸症状、発疹、発熱 等はあったが、接種スケジュールの変更や中止を必要としたほどの有害事象はみられませんでした。
●HPVワクチンの費用
1回接種は15000円〜20000円
3回接種で45000円〜60000円
接種医療機関は産婦人科のほか小児科、内科等でできるようにしたい。
●HPV陽性率
初交年齢が若い程感染率が多い
(性交人数が多いからか?)HPV陽性
率は20才代で20〜30%
男と女は同率で感染している。
●HPV陽性者の陰性化
HPV感染後6ヶ月で30%が陰性化
HPV感染後2年で90%が陰性化する。
●HPV感染者の癌発生率
HPVに感染すると0.15%が発癌する。
(1000人に1.5人)
●公的助成
現在オーストラリアでは12〜13才に
100%助成している。日本では現在
150億円を出し、中学生1年生を対象
に1/3の助成をするか等々が検討さ
れている。
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